これぞ看護の力!
うちの病棟に、92歳のかわいい患者さんがいます。
もはや病棟のアイドル的存在!
無反応な新入りさん
脳卒中でSCU(脳卒中専門の集中治療室)に入院していた小さいおばあちゃん、Yさん。
急性期を脱してうちの病棟へ転入してきた頃は、1日のほとんどをベッドで過ごしていました。
声をかけてもうつろな目で反応もなく・・・
この患者さん、大丈夫かしら?💧
そんな心配をしてしまうほど💦
来た当初は1日ずっと、ベッドに横になっていました。
徐々に覚醒
そんなYさんでしたが、昼夜逆転の予防に日中は車椅子に乗せられて、部屋の外で過ごすようになりました。
最初は焦点の合わない目でぼーとしていて、声をかけるとわずかにうなずくだけだったんですが、
みんなで声をかけていたら、反応が多くなってきました。
そして、側に誰もいないと奇声を発するようになったんです💦
だから、なるべく誰か側にいるようにして、声をかけました。
側にいてもぼーっとして、あまり反応が無いのですが…
2人でペーン!
そんなある日、子猫の写真集を見ながら「猫ちゃんかわいいですね、猫、好きですか?」と声をかけると、
Yさんは「ペーン!」と言って、手で叩くような仕草をしました。
おお!明確なリアクション!
感動したシュナ子も、「猫はペーン!ですか?」と言ってYさんの真似をしました。
するとニコニコ笑って、また「ペーン!」
楽しくなって、2人でしばらくペーン!て言いながら笑い合いました😄
今度は犬の写真があったので、「犬もペーン!ですか?」と聞くと、
「よしよし」と、撫でる仕草をします。
か、かわいい…!!
Yさんと意思疎通が出来てとっても嬉しかったし、笑った顔がなんとも可愛い😊
まさかの光景
そんなこんなで、みんなで関わっていくうちに、だんだん言葉もはっきり発するようになってきました。
そんなある日、Yさんが車椅子から立ち上がりました!
背中は曲がり、中腰で、体はプルプル震えていますが、自力で立ち上がったのです!
すごいですね!
だんだんと言葉も多くなってきました。
ある時、あーー!と奇声を発しているので、どうしたんですか?と声をかけると、
「いなくなった!隣にいた人!」と。
どうやら、さっきまで居た看護師がちょっと席を外したようです。
誰か側にいないと寂しいらしい。
そんなある日、ナースステーションで記録をしていたら、なんと廊下を歩くYさんの姿が!!
もちろん1人じゃありません。
大ベテランのスタッフが、Yさんの前に立って体を支え、後ろからはもう1人のスタッフが、いざという時のために車椅子を押してついて行きます。
「1、2、1、2、もっと足上げて〜」と言いながら歩かせていました。
3人がひと塊りになって歩いて行きます。
ナースステーションにいた私たちは「おぉ!!」と歓声を上げ、拍手しました👏
Yさんは、今までにない真剣な表情!
看護の力
この歩行でYさんは覚醒したようで、その日以来、文章で会話が出来るまでになりました!!
歯がないので若干フガフガですが、「そんなのは嫌だよ、違うの持ってきて」と、スタッフと会話をしています。
歩いたことが良い刺激になったんですね!
シュナ子はびっくりしました。
来た時は無表情で声すら出なかったのに…!
そして、患者さんの可能性を引き出したスタッフたちを心から尊敬しました。
これぞまさしく、看護の力です!
日々刺激して脳を活性化させ、できる機能を見逃さず伸ばしていく。
素晴らしいですね!
まだまだ1人前の病棟看護師にはなれていないシュナ子ですが、
いつか、そのベテラン看護師のようになりたいと思ったのでした😊
明日も仕事がんばるぞー!
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